小説

ブログ連載小説 『オラクルの地平線』

更新日:

前書き的な?

アタシ達ってボツ小説大量に抱えているんだよね。それらの供養という意味でもアップしてみてもいいかなと思ったのね。

日経新聞に乗ってる謎小説みたいな感じで楽しんでくれたら嬉しいな。

じゃあ今回、連載していく『オラクルの地平線』は元々、とある紹介小説のボツ案の一つだったのね? 誰がベースを書いた物かも考えながら読んでもらえると面白いんじゃないかな?

題名は急遽、つけたので元々そんなタイトルとかなかったんだけどね。地球は温暖化どころか氷河期がきて人類史が一旦終わるのね? でも人類は滅ばなかったの。まさかの冬眠という形で

生き残った人々が少なからずいたの。一体どれだけ経ったのか分からないけど、一人の少女はオートバイを動くようにするのね? 彼女の名前は茜ヶ崎理々夢(あかねがざきりりむ)。

どこかで聞いたような名前かもしれないね? そんな彼女はナビと呼ばれた元々歌って踊る為のイベント用少女型オートマトンと共に大きな図書館を探す旅に出るの。

標高が6000メートルを超えてしまった富士山。巨大なサソリが闊歩する鳥取砂漠。北極のような氷の大陸になった北海道、そんな場所は一人と一機が何気ない会話をしながら過ごしていく、シンギュラリティ百合冒険記。ってところかな?

第一話 旅は道ずれ

 世界平和という物を少なからず誰しもが望んでいただろう。

 世の中に創造物では未曾有の世界危機に陥れば各国は力を合わしてその危機に立ち向かうのだと描かれる物が多い。
 
 だがどうだろう? 人類は世界中で流行した新型ウィルスの際、何ができただろう? 各国は力を合わせることができただろうか? 正解はできなかった。
 とりあえず経済を止めてでも都市機能を止めた国、利権に駆られてかんじがらめ、後手後手になった結果効果が不明な対策時には時既に遅し、完成拡大させた国。
 
 結果として未曾有の危機では世界は平和にならなかった。
 
 が、しかし。
 世界平和は難しいことを考える必要はなかった。簡単に成し遂げた。
 大厄災・第二次氷河期によって人類は大幅に数を減らした。
 地球が温暖化していたのは人類の文明の力であったが、実のところ地球は再び氷河期に入ろうとしていた。
 ゆっくり、ゆっくりと冷えていくハズだった地球を無理矢理温めた結果、ダムが決壊するように地球は瞬間冷却された。
 
 多くの地上生命は死に絶え、結果海の環境は改善されていく。
 万物の霊長たる人間はどうなっただろう?
 
 やはりというべきか、氷河期を生き残った地上生命の中の人間というカテゴリーも一部存在した。
 
 長い、永い冬眠の果て、目覚めた人間は再び生活を始める。
 
 これは人類の終末を終えた世界でただ旅をする一人の少女とナビのお話である。
 
「おい、ナビ。あのクソでかい山はなんだ?」
「理々夢。あれはかつて霊峰富士と呼ばれた日本最大高度を誇る山ですね。現在推定標高6000メートル程でしょう」
「おし! 登ってみよう」
「頂上部はマイナス10℃を下がります。また冬眠してしまいますよ?」
「お前が私を抱えて下山すりゃいいだろう」
 
 二人は今、大型のバイクにまたがって景色を楽しんでいる。一人は茶がかったポニーテールを風に揺らし白衣にシャツとショートパンツというあべこべないでたち。もう一人はきちんとしたエプロンドレス、黒髪のショートボブ。
 人間と、オートマタの二人組。
 
「この近くには大きな湖があるらしく、魚も豊富に生息しているようですが? 霊峰富士に登るとなると夕食は何がなんだか、製造日も消費期限も分からない缶詰という事になりますが構いませんか?」
「当然、魚。茜ヶ崎のデータベースにタンパク質を食べない日はねーんだよ。という事で今日のキャンプは湖畔だな」
「小洒落たお菓子でも用意できればいいのですが」
「あはは! どこにあんだよ? こんな壊れた世界で」
 
 二人は目的なく旅をしているわけじゃない。二人が探している物は情報の海。大厄災でも生き残った大きな図書館を探している。
 知性を持った人は、情報なくしては生きていけなかった。新しいことを知ろうとする本能は生きる道標となり、茜ヶ崎理々夢、以後リリムは歩き、走り、ボードにのり、そしてバイクを見つけ、修理し太陽光で動くように改造した。
 一体、どれだけ地球が冷却していたのかは分からない。リリムがナビと呼んでいる少女も瓦礫の中から異様に綺麗なまま出土された物をリリムが修理し、持っていた壊れたナビを増設して今に至る。
 本来のナビの使用用途は……
 
「歌えよナビ」
 
 リリムは、湖で釣り上げた見たこともない魚を金属の串に刺して火にかける。その間に、イースト菌で自家製し、果物で味を整えたアルコールを一口。
 
「では僭越ながら、この度はお集まりいただきありがとうございます」
「まぁ、私しかいねーけどな」
 
 宴会やイベントで歌って踊ることを企画されたオートマタ。その機械とは思えない優しい声にたまにリリムはその歌をきく。
 人間は文明が崩壊しても文化を捨てないという事が証明された。
 
 二人の出会いは今よりも少し前になる。

結び

 どうだった? いわゆる終末系の一つになるのかな? 紹介小説ではナビがメジェドさんでやんちゃでボーイッシュなセシャトさんととある作品を語りながら図書館を探す物語だったんだけど、

 なんかこれじゃない感がすごくてお蔵入りしたんだよね。よければ今後もオラクルの地平線を応援してね!

 じゃあ、本日はここまでまたみにきてね!


 
 
 
 

-小説

Copyright© 古書店『ふしぎのくに』(仮) , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.